親って、こんなものなのか。
こんな感じで、私は人の親になってしまうのか。

自分の親は偉大だと、ずっと思っていた。
幼い頃はもちろん、今に至るまで、私にとって両親は決して越えられない大きな存在だ。
注がれた愛情は果てしなかった。
だから、幸福だった。

私は、産まれてくる子供に対して、偉大な親になることはできないだろう。
私はまだ「両親の子」であって、自分のことが一番大切で、産まれてくる子供を愛せるかどうかも分からない。

心の底からの愛情こそが、子供を幸せにするのだと、私は自分の体験から思う。
私にも愛情はあると思う。
夫や両親に対しては、行動の伴った深い愛情を持っていると思う。
それが、子供に対して湧くのだろうか？

両親が私を愛したように、私も子供を愛せるだろうか？

あと１ヶ月くらい経てば子供は産まれる。
来月には新しい生き物が私の生活に居るかもしれないという不思議。
痛みへの恐怖と、未知への好奇心。
そして、「産まれてしまったら、私は育てねばならない」という重い責任への覚悟。

産まれて対面したとき、全てをゆるせるような愛情は湧くだろうか？
言葉も通じない、無力な未知の生き物を、私は前向きに世話できるだろうか？

私は「親」になれるだろうか？